ある愛の詩 愛とは決して後悔しないことー日本語訳もいいが、この原文が胸を打つ

愛とは決して後悔しないことーこのキャッチフレーズで有名な70年代アメリカ映画。由緒正しき富豪の名家出身のハーバード大生・オリヴァー(ライアン・オニール)が、貧しいイタリア移民の娘のラドクリフ女子大生・ジェニファー(アリ・マッグロー)と恋に落ち・・日本では長いこと人気を誇った映画だ。子供の私はまず女子大生を演じたアリ・マッグローの美しさに魅せられた。彼女を見て、勉強して知的な女子大生になりたいと願った。長い黒髪に太い眉毛、肌も真っ白ではなく、それが知的な女子大生役にぴったりだった。黒縁の眼鏡をかけてもかっこいいのはさすが。原作での脚が美しい女性との設定通り、モデル出身の彼女の脚はとても同じ人間とは思えないほど美しかった。彼女が冬のキャンパスをキャメルのコートを着て歩く姿に憧れ、大人になったらあんな格好をしてみたいと思った。長じて似た感じのキャメルのコートを購入し、マッグロー気取りで街を闊歩したものの・・・悲しいくらい似合わなかった。猿真似はいけない。二人は家柄の違いを理由にオリヴァーの親に反対されながらも結婚する。親に背いたことで、弁護士を目指すオリヴァーへの仕送りも当然打ち切られる。彼の学費を稼ぐためにジェニファーは働き、貧しいながらも幸せな日々を過ごす。オリヴァーが弁護士になり、やっと生活に余裕が出てきた矢先に悲しい結末が訪れ・・・

インテリ学生同士の二人の会話がエスプリが効いていて面白い。映画のオープニングはどうだったのか、小説では冒頭でオリヴァーが昔を偲んで彼女が好きだったものを挙げていく。モーツァルトにバッハ、ビートルズに僕と。どういう順番なのかと尋ねたら、彼女はにっこり笑ってアルファベット順と答えたというエピソードも気が利いている。才気煥発なジェニファー。この映画のキーワードも然り。結婚後、けんかをして家を飛び出した彼女をオリヴァーが探し疲れて帰ってくると、ドアの前に彼女が座って泣いている。謝ろうとしたオリヴァーを制してジェニファーが言うー愛とは決して後悔しないことよ、と。原文はLove means never having to say you’re sorry. 胸を打たれた。インパクトを持たせるために日本語では意訳しているのだろう。愛というのは、決して相手に対してすまないなんて言う必要がないこと、つまりどんなことでさえ相手を傷つけたり苦しめたりすることはしないのが愛だということだ。愛について語った名言の一つだと思う。相手を思いやる気持ちの大切さ。こういう意識があればうまくいくこともたくさんあるだろうに。

オリヴァーはアイスホッケーの選手なので、たびたび登場するホッケー場の氷や雪のキャンパスの白銀の景色が美しいのも特徴だ。雪のセントラルパークで二人が戯れるシーンなど素敵だった。もう一度観てみたいものの、いい年をして泣きそうで・・・Love means never having to say you’re sorryの一言が効いて、甘くて感傷的なメロドラマでは終わっていない。この映画はまた、男女の愛を軸にジェニファーと父、オリヴァーと父の親子の愛情も描いている。ラスト、オリヴァーがずっと反発し続けてきた父親がジェニファーの病を知ってオリヴァーのもとに駆け付ける。オリヴァーは父にジェニファーの死を告げる。済まなかったと言う父を制して今度はオリヴァーが言うー愛とは決して後悔しないことです、と。アカデミー賞作曲賞を受賞したフランシス・レイの哀切極まりないメロディーが流れ・・・やっぱり泣いてしまいそうだ。

ライアン・オニールはキューブリックの異色大作・バリー・リンドンも印象的だったが、個人的にはこの良家のご子息であるハーバード大生役が💛。アリ・マッグローはこちらとスティーヴ・マックィーンと恋に落ちるきっかけとなったゲッタウェイが双璧か。ゲッタウェイ撮影時は人妻だったマッグロー、あれじゃマックィーンが恋してしまうのも当たり前と納得させる美しさだった。Love means never having to say you’re sorry・・・語り継ぎたい名台詞である。

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