ばくれんー死語に再会した感激、日本酒の名前です

莫連、と書く。すれっからしの女性を指す言葉。明治時代あたりに使われたのだろうか、実際耳にしたことはない。欲望という名の電車の主人公、ブランチを評して誰かが書いた文章で初めて知った。今は聞きなれない言葉なので、気軽に使えて面白い。あの人もなかなかの莫連で・・・と貶しても、誰も気づかないだろう。すれっからし、もほとんど死語のように思えるが、そう形容するより莫連を使った方が隠語度が高い。それが先日、某所でばくれんという山形の日本酒を飲み、まさか莫連の意味?とラベルを見ると、酒をあおる浮世絵風の女性のイラストが。ひっそりと、でも脈々と生きている言葉なのだと実感した。

言葉は時代につれ、その言葉に付与された価値が消滅すれば使われなくなるのだろうが、いわば言葉のシーラカンス、死語の歴史は興味深い。風情のある言葉も多いので時々こっそり使ってみたくなる。死語と意識せずに使う人のずれ感も面白い。数十年来の友人は、ご両親の影響か、昭和の死語を平気で使い続ける。胸の豊かな人をボイン、新しい服をおニュー、地に足がついていない人を夢見る夢子さん・・・ってこれかなり昔のボキャブラリーである。死語と気づかない感性、一種の鈍感力もなかなか凄い。時代を先取りする感性が魅力的なのと同様、彼女の、時代の空気に全く鈍い感性も私にとっては魅力的。死語はそんな人々によって支えられているのかもしれない。思いがけないばくれんとの出会いのように、いつかまた忘れている死語と出会えたら感激だ。

カテゴリーFood

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